上京したとき、初期費用として合計で約45万円を払いました。家賃の5ヶ月分ほどです。
正直、そのときは何とも思っていませんでした。上京する前に車を売って、手元にまとまったお金があったからです。
ただ、あとから初期費用について調べて、自分の明細を見返してみると、意外なことがわかりました。
僕の明細、かなりまともでした。
初期費用には「契約上、基本的に必要になる金」「物件次第の金」、そして「言われるまま払わなくていい金」の3種類があります。
消毒費、24時間サポート、鍵交換費用。見積もりに載っていると、全部必要な費用に見えます。
でも、契約前に確認すれば外せるものもあります。
もちろん、契約条件として決まっているなら払う必要があります。この記事でいう「払わなくていい金」とは、法律上すべての人に義務づけられた費用ではなく、言われるまま払う前に「これは必須ですか?」と確認していい費用のことです。
この記事では、初期費用の内訳を3種類に分けた上で、僕が約45万円払った実際の明細を答え合わせします。
先に言っておくと、僕はほとんど交渉していません。めんどくさかったからです。
それでも余計な費用を避けられたのは、最初から見積もりがシンプルな不動産会社を選んだからでした。
この記事でわかること
- 初期費用を3種類に分ける考え方
- 契約前に「必須ですか?」と確認したい項目
- 約45万円払った僕の実際の明細
- 交渉が苦手でもできる不動産会社の見極め方
初期費用の内訳は3種類に分けられる
僕が調べた範囲では、賃貸の初期費用は家賃の4〜6ヶ月分が目安として紹介されることが多いです。家賃8万円なら32〜48万円。なかなかの金額です。
ただ、「初期費用」とひとまとめにすると、中身が見えません。
そこで、性質の違う3種類に分けて考えます。
① 契約上、基本的に必要になる金
契約する物件で、基本的に発生する費用です。
- 前家賃・日割り家賃: 入居月の日割り分や翌月分の家賃
- 火災保険料: 契約条件として加入を求められることがある保険
- 保証会社の初回保証料: 保証会社を利用する場合に発生する費用
- 仲介手数料: 仲介した不動産会社に支払う手数料
火災保険や保証会社は、物件によって指定や金額が変わります。見積もりの金額だけでなく、補償内容や更新料まで確認しておくと安心です。
仲介手数料には法律上の上限があります。ここは後半で詳しく書きます。
② 物件次第の金
物件の募集条件によって、有無や金額が変わる費用です。
- 敷金: 退去時の修繕などに備えて預けるお金。使われなかった分は返還されます
- 礼金: オーナーに支払うお金。原則として返還されません
敷金・礼金がゼロの物件もあれば、どちらも必要な物件もあります。
これは不動産会社が勝手に上乗せする費用というより、その物件の募集条件です。高いと感じたら、交渉するか、別の物件も含めて比較することになります。
③ 言われるまま払わなくていい金
問題はここです。
見積もりに最初から入っていると、全部払わなければ契約できないように見えます。でも、実際には物件や会社によって扱いが違い、契約前に確認すれば外せる項目があります。
- 消毒・抗菌施工費
- 24時間安心サポート
- 書類作成費・事務手数料
- 鍵交換費用
ただし、「法律で一律に義務づけられていない」ことと、「その契約でも払わなくていい」ことは別です。
契約条件や特約として明記されている場合は、外せないこともあります。
大事なのは、「絶対に払いません」と戦うことではありません。
「これ、必須ですか?」
まずは、この一言です。
国土交通省も、鍵交換費用などの負担について、契約を結ぶ前に確認するよう案内しています。
契約前に確認したい4つの費用
消毒・抗菌施工費
入居前に、室内の消毒や抗菌処理を行うための費用です。
法律で全国一律に施工が義務づけられているものではありません。ただし、物件の契約条件として設定されている場合もあります。
必要性がわからないときは、「これは任意ですか?」「外した場合でも契約できますか?」と申し込み前に確認してみてください。
僕なら、作業内容も聞きます。
何を、どの範囲までやってくれるのか。それを聞いた上で、金額に納得できるかを考えます。
24時間安心サポート
鍵の紛失や水漏れなどのトラブルに、24時間対応するサービスです。
一見すると便利そうですし、実際に助かる場面もあると思います。
ただ、内容によっては火災保険の付帯サービスと重複する場合があります。加入する前に、対応内容、利用条件、火災保険との違いを確認しておくと安心です。
僕が見るなら、「何が無料で、何から有料なのか」まで確認します。
24時間電話がつながっても、作業代がすべて無料とは限りません。サービス名の安心感だけで決めず、中身を見る項目です。
書類作成費・事務手数料
契約書類の作成や、事務手続きに対して請求される費用です。
名称だけでは、仲介手数料との違いがわかりにくい項目です。
見積もりに載っていたら、「何の作業に対する費用ですか?」と確認してみてください。
説明を聞いて納得できるなら払う。役割がわからないままなら、その場で流さずに聞く。
それで十分だと思います。
鍵交換費用
前の入居者が使っていた鍵を、新しいものへ交換する費用です。
僕の場合は、「必須でなければ、そのままで大丈夫です」と伝えたところ、見積もりから外してもらえました。
あっさり通りました。
ただし、これは防犯とのトレードオフです。
鍵を交換しないということは、前の入居者や合鍵を持つ誰かが、理論上は開けられる状態を受け入れるということ。僕は気になりませんでしたが、防犯を重視するなら交換した方が安心です。
また、契約条件や特約に借主負担と書かれている場合もあります。申し込み前に、交換が必須か、誰が費用を負担するのかを確認してください。
仲介手数料は申し込み前に確認する
仲介手数料は、初期費用の中でも会社によって差が出やすい項目です。
居住用物件では、不動産会社が借主一方から受け取れる仲介手数料は、原則として家賃0.5ヶ月分+消費税までです。
ただし、仲介の依頼を受ける際に借主の承諾を得た場合は、貸主・借主双方から受け取る合計上限の範囲内で、借主から家賃1ヶ月分+消費税まで受け取れます。
つまり、1ヶ月分だから違法という話ではありません。
でも、同じ物件でも依頼する不動産会社によって、仲介手数料が変わる可能性はあります。
だから、申し込み前に聞きます。
「仲介手数料はいくらですか?」
契約書類を読む段階まで待つ必要はありません。物件を紹介してもらうときや、申し込みを考えた時点で確認しておくのが安全です。
ただし、現実はそう甘くない
「じゃあ全部確認して、外せるものは全部外せばいい」と思うかもしれません。
僕も調べる前は、そう思っていました。
でも現実には、壁があります。
法律で全国一律に義務づけられていない項目でも、契約条件として設定されていれば、「外すなら契約できません」となることがあります。
その物件に住みたければ払う。納得できなければ別の物件を選ぶ。
理屈だけでは、全部きれいに削れません。
それに、そもそも交渉自体がしんどいです。
初めての部屋探しで、プロ相手に「この項目は外してください」と言うのは、なかなかの精神力が要ります。
礼金も、相談できる場合はあります。
そもそも礼金って、意味わからなくないですか?笑 オーナーさんへのお礼として払い、返ってこないお金です。
ただ、人気の物件では交渉しない方がいい場面もあります。
僕は入居希望日までの余裕がなく、担当者さんから先に「礼金や家賃の交渉はしない方がいいかもしれません」と言われました。
空きを待っている人がいる部屋で、交渉カードは切れません。
僕が交渉らしいことをしたのは、鍵交換を断ったことくらい。それでも、余計だと感じる追加費用はほぼ払わずに済みました。
次で、僕の実際の明細を見ていきます。
約45万円の明細を見返してみた
ここまで調べた知識を持って、上京時の請求書を引っ張り出してきました。
答え合わせです。
僕が払ったのは、この7項目でした。
- 礼金(家賃1ヶ月分)
- 敷金(家賃1ヶ月分)
- 入居月の日割り家賃+日割り管理費
- 翌月分の家賃+管理費
- 住宅総合保険
- 保証会社の初回保証料(家賃+管理費の0.5ヶ月分)
- 仲介手数料(家賃の0.5ヶ月分・別明細)
見返して、気づいたことが3つあります。
気づき①: 確認したくなる追加費用がほとんどない
消毒・抗菌施工、なし。24時間サポート、なし。書類作成費、なし。
鍵交換費用は、相談して外してもらいました。
「払わなくていい金が1つもない」というより、「内容を確認したくなる追加費用が、最初からほとんど載っていなかった」という表現が正確です。
気づき②: 仲介手数料が原則どおりの半月分だった
仲介手数料は、家賃の0.5ヶ月分でした。
僕は値下げ交渉をしていません。それでも最初からこの金額です。
同じ物件でも依頼する会社によって金額が変わる可能性がある項目だからこそ、ここには不動産会社の方針が出ると思います。
気づき③: 保証料は0.5ヶ月分だった
保証会社の初回保証料は、家賃と管理費を合わせた金額の0.5ヶ月分でした。
保証料は利用する会社やプランによって違うため、一律に高い・安いとは言えません。
ただ、僕の明細では、ほかに不明な事務手数料などが追加されていませんでした。
つまり、僕が払ったのは、契約する物件で必要だった費用と、敷金・礼金が中心です。
礼金1ヶ月分は痛い。でも、これは物件の募集条件でした。
一方で、よくわからない名目の上乗せはありませんでした。
ここは区別が必要です。
なぜこうなったのか
繰り返しますが、僕はほとんど交渉していません。
やったことは1つだけです。
お金の勉強系YouTubeで初期費用の仕組みを予習して、「余計な項目を最初から請求しない」方針の不動産会社を選びました。
それだけです。
特定の会社を宣伝したいわけではないので、名前は伏せます。
でも、見積もりを比較することは誰でもできます。
- 任意かどうか確認したい項目が載っていないか
- 仲介手数料はいくらか
- 説明できない名目の費用がないか
見るのは、この3つです。
見積もりは、会社の姿勢が出る紙だと思います。
よくわからない項目を載せたまま説明しない会社と、この先フェアにやり取りできるか。
僕は、少し不安になります。
まとめ
初期費用で一番怖いのは、見積もりに書いてある金額を「そういうものなんだ」と、一度も確認せずに払ってしまうことです。
最後に、初期費用の3種類を整理します。
- 契約上、基本的に必要になる金: 前家賃・日割り家賃、火災保険、保証料、仲介手数料など
- 物件次第の金: 敷金、礼金
- 言われるまま払う前に確認したい金: 消毒・抗菌施工、24時間サポート、書類作成費、鍵交換費用など
契約条件なら払う。任意なら必要か考える。説明がわからなければ聞く。
これだけです。
交渉が苦にならない人は、任意項目を外せるか相談してみる。
僕のように交渉がめんどくさい人は、最初から余計な項目の少ない見積もりを出す会社を選ぶ。
どちらでも構いません。
初期費用は金額が大きいからこそ、「全部払う」「全部断る」の二択ではなく、項目ごとに中身を確認する。
それだけでも、納得できる契約に近づけると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
これから部屋を探す方は、申し込み前に見積もりをもらい、「任意項目」と「仲介手数料」の2点だけでも確認してみてください。
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